おうちで本格草木染講師の一福です。
草木染教室の受講生から「ピンクが染めたい!」とのリクエストがあり、草木染講座の3回目(最終回)は赤系にチャレンジしました。
草木染めは媒染で色が変わりますが、今回のラックダイはどれも気分がアップするようなピンクや赤! 受講生のテンションも上がりっぱなしでした。
草木染めで手軽に堅牢な赤を染めるラックダイ
”ラックダイ”はよく使われる草木染材料ですが、実は昆虫です。ラックカイガラムシが材料になります(リンク先には虫の画像があります)。天然の赤色素として食品に使われることも。
自然染料で手軽に色褪せにくい赤を染められるので、手しごと屋一福の赤はラックダイを採用しています。
赤系のイメージした色を出すために下処理を考える
この講座で大事にしたのは、”家でも自分で染められるようになる”こと。自分が持ってきた布や糸をラックダイで何色に染めたいのか。しっかり考えてもらいました。
ピンクなど柔らかな色がよい人はKLC-Nで、真っ赤やオレンジが染めたい人はKLC-1で下処理を行います。まだ、布は白く、のんびり作業です。
何色にするか考えて媒染の選択
ラックダイ単独で染まるのは、赤紫、赤、赤みのあるグレー。ピンクは赤紫を薄く染めた状態です。
それぞれが希望をする色を頭に描いて、先媒染。媒染で色が決まるので、少しドキドキしながら作業します。
それぞれの草木染の赤にテンションがMax!
薄い色の染液から始め、少しずつ濃くしていきます。先媒染した繊維はアッという間に染まるので、好みの色になるまでどんどんラックダイを増やします。
乾くと少し薄くなることを考え、心持ち濃いめに染めてもらっています。
媒染での変化を利用して模様をつけることも
媒染についてもきっちり学んでいただいたので、媒染の変化で模様を作る方、糸を段染めにする方もいらっしゃいます。
「草木染めは不思議!」とそれぞれの色に興味津々
ラックダイは媒染を変えるだけでも、雰囲気の違う赤系が染まりますが、今回はさらに一工夫。希望の人にはヤマモモの黄色も加えてもらいました。
真っ赤の方には部分的に黄色が入り、朱色のように見える部分があります。2種類の草木染染液を混ぜ、思うような色を出すには経験を重ねるしかありませんが、一つの方法として実験してもらいました。
下処理、媒染、材料が分かればキッチン草木染も簡単!
草木染めは手順さえわかれば自宅のキッチンでもできます。下処理と媒染、そしてどの材料で何色が出るかを知っていれば、いろんな色を染められます。「おうちで本格草木染め」は、3回の座学でそれを学んでもらいました。「思ったより簡単で、草木染めは楽しい」とご感想をいただきました。
公民館での草木染教室はやっていましたが、きちんとした座学を行うのは今回が初めて。楽しんで、たくさんの質問もしてくれた受講生の皆様に感謝いたします。