ローズマリーの剪定を有効活用!草木染めで素敵な色を手に入れる方法とポイント

こんにちは、草木染糸の販売をしている手しごと屋一福いっぷくです。

さっそくですが、上の写真の木綿糸どうですか?黄金色に見えてきれいでしょう?

実は、この木綿糸はローズマリーで染色したもの。ローズマリーのアルミ媒染は、艶のある繊維に染めると美しい黄金色を生み出し、とても素敵な色合いになります。

さらに、ローズマリーの黄色は草木染のカラーパレットを拡げるのにぴったりの役割を果たしてくれます。

草木染めで色を楽しむ①;ローズマリーの下準備

段ボール箱にみっしりのローズマリー。おいしそうな香りがします。

今回は、ハーブ仲間がローズマリーを梅雨前にばっさり剪定するというので、遠慮なくたくさん送っていただきました。

両手で持たないと持ちきれないほどに量が多いので、ここは少し楽な方法で下準備します。以前、初心者向け材料の中でもご紹介した葉だけにする方法です。

まず、ひたすら葉と枝に分ける

ローズマリーの葉っぱのみ

まず、葉と枝先の柔らかい部分だけにします。枝先を持って枝を指で挟み、枝元の方へ指を滑らせると楽に取れます。とはいえ、量が多かったので2時間かかりました。

一気に行ったのは、鮮やかなローズマリー本来の色が欲しいため。早くしないと草木染めを行った時の色が変わるのです。

硬い枝の部分は、バーベキューのときなどに使うと香りがよいので、乾燥させています。

色素が出やすいようにさらに細かくする

枝から外したのみ
染液を取る前

草木染の材料は、細かくした方が早く染料が取れます。葉っぱだけにしたのはミキサーにかけやすくするため。
ミキサーに水を入れ、ローズマリーを入れて、20秒ぐらい回転させます。あまり細かくすると後で困るので、ざく切り程度に。

全部を細かくしたら、ひたひたに水を入れていよいよ染液を取ります。

草木染めで色を楽しむ②:ローズマリーの色を煮出す

アクが出ますが、色の内と放置しています

ミキサーにかけているうちから、水は黄色っぽくなります。まずは、水をひたひたぐらいに入れて強火にかけ、沸騰するまで待ちます。

今回は量が多かったので、沸騰したところで少し取り出してザルで濾しました。取り出した分より多めの水を再び投入。沸騰したら弱火にして約20分煮出します。
染液の濃さを見ると、まだ色が出そうだったので、半分ほどの染液を取り出し、同じほどの水を加えて15分ほど煮ました。トータルで45分ほどです。

熱いうちにきれいに漉して染液のできあがりです。

草木染で色を楽しむ③:ローズマリ―で染めて色を確認する

濃染処理と先媒染済みの糸を染めてみる

さっそく試し染めをしてみましょう。濃染処理とアルミ先媒染をした木綿糸を鍋に入れ、冷めた染液をかけます。

見えやすいように大きい鍋でしていますが、これくらいの量ならお椀でもできます。

ローズマリーの色

下処理をしていると、あっという間に染まります。これが最近の草木染めの楽しみ。ひたひたの染料の中でも十分染まります。全体がきれいに染まったら、最後に熱を加えまて色を引きだします。しっかり熱くするとわずかですが、色鮮やかになりました。

あとは温湯洗いをして干せば完成!

ローズマリーの青みがかった黄色は黄金色に見える

白い糸は同じ木綿糸で下処理をしていないもの。

今回は葉っぱのみを使用したためか、やや濁りは感じるものの、以前染めたときよりもきれいな黄色に染まりました。少し青みのある黄色です。光沢のある揉綿糸に染めたので、金色っぽくも見えます。艶のある絹を染めてもきれいな色が染まりそうです。

ほどけないように止めている白い糸は、同じ木綿糸ですが濃染処理をしていないもの。下処理をしていない木綿には染まらないのが分かりました。綿・麻は濃染処理をしましょう。

ローズマリーを草木染材料にするのに注意したいこと

ローズマリーに限らず、ハーブなどの匂いが強いもので草木染するときの注意は”匂いがすごくなる”こと。換気扇を回していても、かなり匂います。

さらにローズマリーの場合は、匂い成分が脳に働きかける作用も強いので、てんかんの方などアロマテラピーで注意がある方は避けたほうがよいかもしれません。
私自身はてんかん持ちですが、ローズマリー精油は大好きで使ってきたため、特に問題はありませんでした。ただ、匂いが苦手なレモングラスで染めたときに具合が悪くなった経験があります。
経験上、ローズマリー精油の匂いが嫌いな人には、あまりおすすめできません

ローズマリーの黄色は草木染の色幅を広げてくれそうです

草木染の色パレットを増やすのに、ローズマリーの黄色はなかなかいい仕事をしてくれそうです。そのままの黄色はもちろん、緑色にするためのインド藍との掛合わせにもよさそうです。媒染を変えるとまた違った色を見せてくれるでしょう。

今回は贅沢な取り方で8Lほどの染液が取れました。頑張れば染液はまだとれますが、さまざまなことを考え、「また次回」としました。ローズマリーは身近な植物ですし、定期的に刈り込み、手に入りやすいからです。

でも、染液を取り終わったローズマリーからは、まだいい香りがします。油溶性の香り成分は多く残っているので、生葉に少量プラスしてジャーマンポテトを作りました。せっかく育ったハーブですから、最後まで楽しみましょう。

大量にとったときに便利な防腐剤

大量に染料を取ったときにお世話になっているのが田中直染料店防腐剤Nニュー。半年ほど常温で保管できるので、重宝しています。

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